
住宅ローンの固定金利と変動金利どっちが得?比較で総返済額の差と選び方を解説
3,500万円の住宅ローンを組むとき、固定金利と変動金利のどちらを選ぶかで、総返済額に数百万円単位の差が出ることがあります。
毎月の返済額だけを見ると変動金利の方が魅力的に感じられますが、金利が上昇した場合のリスクを十分に理解しておかなければなりません。
一方で、固定金利は返済額が安定する安心感がある反面、スタート時の金利はやや高めになる傾向があります。
そこで今回は、3,500万円・35年返済を前提に、固定金利と変動金利を比較しながら、総返済額にどれくらい差が出るのかをシミュレーションします。
あわせて、将来の金利変動に備える考え方や、自分に合った金利タイプを選ぶためのポイントも分かりやすく解説していきます。
住宅ローンの固定金利・変動金利を基礎から解説
住宅ローンの金利タイプは、大きく固定金利型と変動金利型に分けられます。
固定金利型は、借入時に定めた金利が返済終了まで変わらない仕組みで、長期金利の動向を反映して水準が決まります。
一方で変動金利型は、短期金利の動きに応じて半年ごとなど一定期間ごとに適用金利が見直されるため、返済途中でも金利が変化します。
このように、金利が決まるしくみや見直しタイミングの違いを理解することが、金利タイプを検討する前提になります。
次に、それぞれの金利タイプのメリットとデメリットを整理しておくことが大切です。
固定金利型は、返済額が一定になりやすいため、家計管理の見通しを立てやすい一方で、変動金利型より当初金利が高くなる傾向があります。
変動金利型は、一般的に固定金利型より当初金利が低く、返済開始時の負担を抑えやすい半面、将来の金利上昇によって返済額や利息負担が増える可能性があります。
このような特徴を踏まえて、自分が重視したいのが返済額の安定性か、当初の負担軽減かを整理しておく必要があります。
実際の利用状況を見ると、民間金融機関の新規住宅ローンでは、変動金利型を選ぶ人が全体の約8割を超えており、多くの借入者が当初金利の低さを重視していることが分かります。
もっとも、現在は金利が上昇傾向にある局面とされており、変動金利型を選ぶ場合は、今後の金利動向や返済額の変化に注意を払うことが欠かせません。
特に、金利が上昇しても家計が耐えられるか、繰上返済や借換えを活用できるかといった点を、事前に検討しておくことが重要です。
このように、利用者の選択状況と金利環境を踏まえながら、自分にとって許容できるリスクの範囲を整理しておくことが、金利タイプ選びの出発点になります。
| 金利タイプ | 主な特徴 | 向いている人の傾向 |
|---|---|---|
| 固定金利型 | 返済額が一定で長期計画向き | 家計の安定性を重視する人 |
| 変動金利型 | 当初金利が低く総返済額抑制も期待 | 金利上昇リスクを許容できる人 |
| 固定期間選択型 | 一定期間のみ金利固定で柔軟性 | 中期的な見直しも想定する人 |
3,500万円・35年返済で固定金利と変動金利を比較シミュレーション
ここでは、借入額3,500万円・返済期間35年・元利均等返済・ボーナス返済なしという前提で、金利タイプ別の違いを見ていきます。
全期間固定型は、借入時に決まった金利が完済まで変わらないものとし、変動金利型は当初金利が一定期間ごとに見直されるタイプとします。
また、返済シミュレーションは、金融機関の住宅ローン返済額計算の一般的な手法である「毎月一定の元利均等返済」を用いて、毎月返済額と総返済額、利息総額を比較します。
実際に検討する際は、商品ごとの条件や優遇金利の有無なども加味して確認することが重要です。
具体的には、全期間固定型の金利を年1.4%、変動金利型の当初金利を年0.5%と仮定して比較します。
この条件で計算すると、全期間固定型の毎月返済額はおおよそ11万円台後半、変動金利型は10万円台前半となり、毎月返済額に一定の差が生じます。
さらに、35年間の総返済額と利息総額を比べることで、表面的な毎月返済額だけでは見えにくい、長期的な負担感の違いを把握しやすくなります。
なお、変動金利型は将来の金利動向によって返済額が変化する可能性があるため、ここではあくまで金利が変わらない場合の試算として位置付けます。
シミュレーションの結果、全期間固定型は総返済額が約5,358万円、利息総額が約1,858万円となる試算です。
一方で、変動金利型は総返済額が約4,958万円、利息総額が約1,458万円となり、両者の総返済額には約400万円の差が生じることになります。
このように、金利差がわずか0.9ポイントであっても、35年という長い期間で見ると、利息負担の差が数百万円規模になり得る点が重要です。
そのため、毎月返済額の軽さだけでなく、金利変動リスクと総返済額のバランスを意識しながら、どの程度の差を許容できるかを検討する必要があります。
| 比較項目 | 全期間固定型 | 変動金利型 |
|---|---|---|
| 想定金利 | 年1.4% | 年0.5% |
| 毎月返済額 | 約11万8,000円 | 約9万5,000円 |
| 総返済額 | 約5,358万円 | 約4,958万円 |
| 利息総額 | 約1,858万円 | 約1,458万円 |
| 総返済額の差 | 約400万円の差 | |
金利が上昇・横ばい・低下した場合の返済額の変化をチェック
まず、金利上昇シナリオでは、変動金利型の住宅ローンは半年ごとの金利見直しにより、返済途中でも利息部分と毎月返済額が増える可能性があります。
実際に、民間の多くの金融機関では、短期プライムレートなどを基準として変動金利が決まり、政策金利の引き上げ局面では上昇しやすい傾向があります。
一方、全期間固定金利型は契約時の金利が完済まで変わらないため、同じ金利上昇局面でも毎月返済額自体は原則として変化しません。
ただし、借入当初の適用金利は、将来の金利上昇リスクを織り込む分、変動金利より高く設定されやすい点に注意が必要です。
このような金利上昇シナリオで総返済額を比較すると、変動金利型は当初の返済額が少なくても、金利が段階的に上昇した場合には、長期的な利息負担が増えるおそれがあります。
国土交通省などの資料でも、変動金利型の利用割合が高い一方で、金利変動リスクの理解不足が指摘されており、上昇局面では家計への影響が大きくなりやすいとされています。
一方、全期間固定金利型は、金利がどれだけ上がっても返済額が一定のため、将来の金利変動を心配せずに長期の家計管理がしやすいことが特徴です。
ただし、金利上昇が限定的にとどまった場合には、結果的に変動金利型より総返済額が多くなる可能性もあります。
次に、金利が横ばいまたは低下するシナリオでは、変動金利型の優位性と注意点を整理しておくことが大切です。
金利が長期間ほとんど動かない、あるいは将来的に低下する場合には、変動金利型は当初から低い金利が続きやすく、全期間固定金利型との総返済額の差が広がることが想定されます。
一方で、変動金利型には「5年ルール」「125%ルール」など、返済額の増加幅を抑える仕組みが適用されることがありますが、これらは利息そのものを減らす仕組みではなく、返済期間の長期化や元金の減り方の遅れにつながるおそれがあります。
そのため、金利が一時的に低下しても、その後の上昇リスクを踏まえ、繰上返済や金利タイプの見直しを計画的に検討することが重要です。
| 金利シナリオ | 変動金利型の特徴 | 全期間固定金利型の特徴 |
|---|---|---|
| 金利上昇局面 | 返済額増加リスク | 返済額一定で安心 |
| 金利横ばい局面 | 低金利継続で有利 | 変動より総額が重い |
| 金利低下局面 | 利息軽減の恩恵大 | 見直しなければ不利 |
最後に、将来の金利動向は専門家でも正確に予測することが難しいため、「金利がどう動いても返済が続けられるか」という視点で家計の許容度を確認することが欠かせません。
具体的には、現在の返済額に対してどの程度の増加であれば生活費や教育費を圧迫せずに対応できるか、また、万一の金利上昇に備えた貯蓄余力がどれだけあるかを見極める必要があります。
さらに、収入の安定性や、今後予定しているライフイベントへの支出計画も含めて、金利変動による家計への影響をシミュレーションし、「無理なく払える上限ライン」を事前に把握しておくことが重要です。
このように、金利シナリオごとの返済額の変化を理解したうえで、自分の家計がどこまでリスクを許容できるかを丁寧に確認することが、住宅ローン選びで後悔しないための大切なポイントです。
3,500万円の住宅ローンで損をしないための金利タイプ選びのチェックリスト
まず、収入の安定性を確認することが大切です。
勤務先の業種や勤務形態、将来の昇給や転職の見込みなどを踏まえ、毎月どの程度までなら無理なく返済できるかを把握します。
あわせて、現在の貯蓄額と今後の貯蓄予定を整理し、病気や失業などの際に何か月分の返済を手元資金で賄えるかを確認します。
そのうえで、教育費や老後資金など今後の大きな支出時期を含めたライフプランと照らし合わせ、固定金利で返済額を確定させるか、変動金利で当面の負担を抑えるかを検討します。
次に、繰上返済の予定や返済期間の見直し可能性を考えることが重要です。
今後の賞与や退職金、相続など、まとまった資金が入る見込みがあり短期間で繰上返済を進められる場合、金利変動の影響を受けやすい変動金利でも総返済額を抑えやすいことがあります。
一方で、長期間にわたり返済が続く見込みで繰上返済の余力が乏しい場合は、全期間固定型を含む固定金利型で返済額を安定させる考え方があります。
また、金利や家計状況の変化に応じて借換えや返済方法の見直しを行うことも、長期の住宅ローンでは検討したいポイントです。
さらに、自分に合う金利タイプを判断する際には、専門家への相談や具体的なシミュレーションの活用が役立ちます。
住宅ローンは、金利だけでなく、返済方法や保険、税制など幅広い知識が必要になるため、家計全体を踏まえて助言できる専門家に相談することで、客観的な視点を得やすくなります。
また、公的機関が提供する教材やシミュレーション例を参考に、複数の金利タイプで毎月返済額と総返済額を比較し、自分の家計で許容できる金利変動幅を確認しておくと安心です。
こうした手順を踏むことで、3,500万円という大きな借入額でも、自分のライフプランに沿った無理のない金利タイプを選びやすくなります。
| チェック項目 | 固定金利向きの目安 | 変動金利向きの目安 |
|---|---|---|
| 収入の安定性 | 長期的に安定収入 | 今後増収の可能性 |
| 貯蓄と予備費 | 生活費半年以上の蓄え | 当面は貯蓄優先 |
| 繰上返済の予定 | 繰上返済は限定的 | 早期返済の計画 |
| 金利変動への許容度 | 返済額増加は避けたい | 変動リスクを許容 |
まとめ
3,500万円の住宅ローンは、固定金利と変動金利の選び方で総返済額が大きく変わります。
金利上昇リスクをどこまで許容できるか、家計の安定性や今後のライフプランと合わせて考えることが重要です。
一方で、金利や返済額の試算を自分だけで正確に行うのは簡単ではありません。
当社では、固定金利と変動金利それぞれの総返済額や家計への影響を、無料でわかりやすくシミュレーションいたします。
迷われている方は、ぜひ一度お問い合わせいただき、ご家族に合った安心の住宅ローン計画を一緒に検討してみませんか。