事故物件とは?
→心理的瑕疵物件と判断された物件のこと
その心理的瑕疵物件とは
過去に殺人事件や自殺・事故などがあり
「ここには住めない」と心理的に負担となる物件のことを言います。
心理的瑕疵物件について法律の定義はありませんが、
心理的瑕疵かの判断は、
買い手・借り手がどのように感じるかが重視されます。
なので、心理的瑕疵の範囲は広く、
自然死であっても長時間が経ち、
腐敗が進んでしまったなどの孤独死の場合も心理的瑕疵とされます。
このような事故物件を入居者に告知しないといけない期間や条件は
いつまでという明確な基準などが決められていなかったのですが、
2021年5月に宅地建物取引業者による人の死による
心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)が発表されました。
その内容によると
宅地建物取引業者が買主と借主に告げるべき事案については
他殺、自死、事故死、その他原因が明らかでない死亡が発生したケースとしており、
自然死や日常生活の中での不慮の死(例えば建物の階段からの転落死、入浴中の転落死
食事中の誤飲による死亡などが発生した場合は原則として告知する必要はないとされました。
告知期間については、
【殺人・自殺・事故による死亡の場合】
賃貸だと約3年間は事案の発生時期と場所・死因を借り主に伝えなければなりません。
つまり事故から3年経過すれば告知義務はなくなることになります。
また、これらの事故は専有部分や室内で発生することを想定しており、
隣地や建物前の道路など外部で発生した事故は対象外としました。
ただし、アパートのような集合住宅の場合は
ベランダ・共用玄関・エレベーター・階段・廊下などのうち
日常使用する場所は告知義務の対象に含まれています。
ちなみに、事故か自然死か明らかでない場合は告知義務はあるとなっています。
一方、売買は賃貸に比べてトラブルになった場合の損害額が大きいため
告知義務の期限は設けられませんので事故の発生が何年前であっても
告知義務はなくならないことになります。
自然死・家庭内事故による死亡の場合
老衰や病気などの自然死は当然予想されるものであり、
統計上も自宅での死亡の9割以上が老衰・病死による死亡であることから
一般的なものとして告知義務の必要はないとされました。
しかし、発見が遅れたことにより遺体の腐乱が進んで
特殊清掃が必要となった場合は事故物件として3年間の告知義務を負うことになります。
今回のガイダンス制定により、
告知義務の期間が明確になったこと、
自然死の告知義務がないことが確認されたことで
賃貸経営がよりクリアになり
賃貸経営上の対策も立てやすくなると考えられています(^o^)丿
自殺や殺人を未然に防ぐことは困難でも
自然死については発見が早いと心理的瑕疵を回避できるかもしれないので
高齢者の入居者がいる場合は定期的なコミュニケーションで健康状態をチェックし、
緊急連絡先の家族と連携を取れるようにしておくのがいいと思います★